髪の毛の構造

人間は様々な部位から毛が生えています。
体の部位や個人差により、濃い薄いの違いはありますが、健康な人はほぼ全身から毛が生えています。

体毛の構造は、基本的には同じです。
髪の毛でも髭(ひげ)でも眉毛(まゆげ)でも体毛でも。


髪の毛の場合には、その構成成分の90%以上が「ケラチン」というタンパク質です。
ケラチンは18種類(20種類という説もある)のアミノ酸で構築されています。

アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称です。
非常に多くの種類があります。

アミノ酸は人間の体の大部分を占める成分です。
私たちの体は、アミノ酸でできていると言っても過言ではありません。


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毛幹(もうかん)とは、髪の毛の皮膚から外に出ている部分のことです。
一般的には、この部分が「髪の毛」と言われています。


毛根(もうこん)とは、皮膚の中にある部分のことです。
最深部には、毛包(もうほう)という髪の毛の根っこがあります。


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毛包(もうほう)とは、髪の毛の最深部の丸くなった部分です。
ここで髪の毛がつくられています。

毛包は「毛母細胞(もうぼさいぼう)」と「毛乳頭(もうにゅうとう)」からできています。

毛包のうち、表面から見ることのできる部分は「毛穴(けあな)」と呼ばれています。


毛乳頭(もうにゅうとう)とは、毛包の底にある組織です。
卵型をしています。

毛乳頭は毛細血管から栄養や酸素などを吸収し、毛母細胞(もうぼさいぼう)に渡しています。
同時に、毛母細胞に対して、細胞分裂の促進や停止の指示をだしています。


毛母細胞(もうぼさいぼう)は毛乳頭(もうにゅうとう)を取り囲むようにあります。
毛乳頭から栄養や指令を受け、細胞分裂を繰り返しています。

この毛母細胞が髪の毛の元です。







毛母細胞は細胞分裂を繰り返しています。

分裂した毛母細胞は、毛乳頭付近に残るものと、上に向かって伸びていくものに分かれます。
毛母細胞が分裂して上に伸びていったものは、角質化(かくしつか)して髪の毛になります。


角質化(かくしつか)とは、細胞にケラチンが沈着して硬くなることです。
足の裏などにできる、魚の目やたこ、イボなどは、皮膚が角質化したものです。

角質化した細胞は、その活動を停止します。
再生をすることはありませんし、傷つけても痛みは感じません。
つまり、死んでしまった細胞ということです。

髪の毛を切っても痛みを感じないのは、死んでしまった細胞だからです。
ちなみに、爪も角質化した細胞です。


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髪の毛の断面は、内側から「メデュラ」「コルテックス」「キューティクル」の三層構造になっています。


メデュラは、髪の毛の中心部です。
やわらかなタンパク質と脂質が主成分で、外的な刺激で空洞ができやすいのが特徴です。
このメデュラに空洞部分があると、透過する光が乱反射して、白っぽくくすんで見えます。


コルテックスは髪の85~90%を占めています。
繊維状のタンパク質が主成分です。
コルテックスのタンパク質、脂質、水分量が、髪の柔軟性や太さに影響します。
また、コルテックスのメラニン顆粒によって、髪の色が決まります。


キューティクルは一番外側です。
主成分はかたいタンパク質です。
半透明の魚のうろこのようなものが4~10枚重なっていて、髪の毛の内部を守っています。
最表面にあるため、傷つきやすいのが特徴です。

髪の毛の艶(つや)や触った時の感触は、このキューティクルの状態によって決まります。
そして、一度剥がれ落ちてしまったキューティクルは、元に戻すことはできません。
髪の毛自体が死んでしまった細胞なので自己修復ができないのです。

トリートメントをすると、見た目には髪の毛が治っているように感じます。
しかし、化学薬品で髪の毛の外側を覆っているだけです。
髪の毛自体が修復されたものではありません。


これが髪の毛の基本的な構造です。
体の他の部位の毛も、構成成分に多少の違いはあるのですが、構造は同じです。

AGA(男性型脱毛症)の治療を進めていくにあたり、知っていると良いと思います。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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