【薬の基礎知識4/7】薬は水で飲むの?水の量はどのくらい?

今回は『薬の基礎知識』の第4回目です。


皆さん、薬を飲むときは、ちゃんと水で飲んでいますか?
飲み物なしで飲んでしまう人や、お茶やジュースで飲む人もいると思います。

ほどんどの内服薬の注意事項には、「お薬は水かぬるま湯で飲んでください」などと書かれてあります。

薬を飲むときに水分が必要なのは、薬を溶けやすくして吸収を高めるという役目があるからです。
水分なしで飲むのはやめた方がいいです。
私の知り合いに、薬を水分なしで飲み、薬がのどにひっかかり食堂炎をおこした人がいます。
食堂炎ならまだマシです。
滅多にありませんが、最悪の場合、潰瘍(かいよう)を作ってしまうことも考えられます。







薬を飲むときは、コップ1杯の水で飲むことをお勧めします。
コップ1杯の水とは、だいたい150ml~200mlくらいです。

水で飲むことをお勧めする理由としては、前述の薬を飲みやすくすること以外にも、飲み物に含まれる成分により相互作用をおこす場合があるからです。
お茶やジュースや牛乳などで飲んでしまうと、薬が効かなかったり、逆に作用が強くでてしまったりと、思わぬ症状が発生する場合もあるからです。
水以外の飲み物で飲むのは、止めた方が確実です。


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例をあげると・・

バファリンをジュースで飲むのは危険です。
バファリンは、解熱鎮痛薬のアスピリン製剤です。
アスピリン製剤には、ジュース(100%果汁)で飲むと、胃から出血するという重大な事象が発生したという報告があります。

反対に、篇桃炎(へんとうえん)や咽頭炎(いんとうえん)の薬のテトラサイクリン系の抗生物質には、牛乳で飲むと全く薬が効かないということが起こ得ます。
牛乳に大量に含まれているカルシウムと結合して、吸収の悪いカルシウム塩に変わってしまうからです。


余談ですが、「鉄剤はお茶で飲むと効かなくなる」というのは事実ではありません。
科学的に証明されました。
このような事が言われていた理由は、お茶に含まれているタンニンが鉄剤の鉄と結合すると、水に溶けないタンニン酸鉄になり吸収が悪くなるというものでした。
しかし、お茶に含まれるタンニン酸の量は微量で、鉄剤と結合しても、たいして問題ではないことがわかりました。


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薬をお酒で飲むのは絶対にやめましょう!

咳止めの薬や抗アレルギー薬は、アルコールが薬の作用を強くして悪酔いします。
精神安定剤や睡眠薬など脳の中枢に働きかける薬なども、作用が強く現れてしまいます。
つまり、薬が効きすぎてしまう訳です。

また、糖尿病の薬との組み合わせにより、カロリーオーバーになることが考えられます。


ほとんどの内服薬は、コップ1杯の水で飲むことを前提につくられています。
薬を飲むときは、コップ1杯の水で飲みましょう。

あと細かいことを言えば、できればミネラルウォーターで飲むのも止めた方がいいでしょう。
ミネラルウォーターのなかには硬水を使ったものもあります。
この硬水によって、吸収が悪くなってしまう薬もあります。



薬の基礎知識は7回シリーズです。
他の記事に関しては以下にまとめてありますので、よかったらご覧になって下さい。


薬の基礎知識全7回

【薬の基礎知識1/7】『薬』ってなに?

【薬の基礎知識2/7】薬はいつ飲むの?『食間』『1日1回』『必要に応じて』どういう意味?

【薬の基礎知識3/7】薬を飲み忘れたときはどうする?

【薬の基礎知識4/7】薬は水で飲むの?水の量はどのくらい?←この記事

【薬の基礎知識5/7】薬と食品の相互作用?グレープフルーツと納豆は要注意!

【薬の基礎知識6/7】薬にも使用期限があるの?

【薬の基礎知識7/7】薬の保存方法について



最後まで読んで頂きありがとうございました。



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