TGF-βとは?AGAと関係のある成長因子

皆さんのまわりの男性で、髪の毛の薄い人はいませんか?


髪の毛などが薄くなる症状のことを「脱毛症」と言います。
脱毛症にはいくつかの種類があり、その種類ごとに発症メカニズムが異なります。
もちろん、治療法も異なるので、使用する育毛剤も異なります。

最も発症者の多い脱毛症は、「AGA(男性型脱毛症)」です。
その次に発症者の多いのが「びまん性脱毛症(女性型脱毛症)」で、その次が「円形脱毛症」です。
この他にも脱毛症は何種類かあるのですが、この3種類で脱毛症全体の90%以上を占めると言われています。


成人男性で髪の毛が薄い場合は、ほとんどがAGA(男性型脱毛症)です。
15歳以上の男性の32%がAGAという調査結果もあります。

む、無慈悲な・・・


AGAは、脱毛部分が決まっている脱毛症です。
前頭部と頭頂部のどちらか、又は、両方の髪の毛が薄くなっていきます。
一方、側頭部や後頭部の髪の毛はフサフサしていて、薄くなることはありません。



実は、私もAGA(男性型脱毛症)です。
髪の毛が薄くて悩んでいました。

現在は薬による治療で、見た目には相当回復したと思います。

以前と比べると、髪の毛の1本1本は太くなりました。
あと、頭皮のベトベトした脂っぽい状態がなくなりました。

これは毎日服用しているフィンペシア
という薬の効果です。


下の写真は、正面斜め上から撮影したものです。
左側が治療開始時、右側が治療開始400日目の状態です。


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AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンと関係のある脱毛症です。


まず、男性ホルモン「テストステロン」が酵素「5αリダクターゼII型」と結合すると、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」がつくられます。

さらに、DHTが受容体「アンドロゲンレセプター」に結合すると、成長因子「TGF-β(トランスフォーミング成長因子-ベータ)」が生まれます。

このTGF-βが「髪の毛の成長期を短くしろ」という命令を発し、髪の毛の寿命が短くなります。
AGAが進行すると、まだ産毛の状態の髪の毛も抜けてしまうようになってしまいます。
その結果、髪の毛が薄くなったように見えるのです。

AGA(男性型脱毛症)は、髪の毛の寿命を短くする脱毛症なのです。


AGAを発症すると、前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなります。
その理由は、5αリダクターゼII型やDHT(ジヒドロテストステロン)が、前頭部や頭頂部に集中的に存在しているからです。







成長因子とは、特定の細胞や組織の「成長・増殖」又は「抑制」を促進させるタンパク質の総称です。
「増殖因子」や「細胞成長因子」、「細胞増殖因子」など呼ばれる場合もあります。


髪の毛は毛母細胞(もうぼさいぼう)が分裂してできたものです。
成長因子は、髪の毛の成長に影響を与えます。
プラスに作用する成長因子と、マイナスに作用する成長因子があります。


髪の毛の寿命のことを「ヘアサイクル」と言います。

髪の毛は、生えてから抜け落ちるまでが寿命です。
髪の毛の寿命は、男性が3年~5年、女性が4年~6年くらいです。

女性の方がヘアサイクルが長いのは男性ホルモンが少なく、女性ホルモンが多いからです。
その結果、髪の毛の成長にプラスに作用する成長因子が多く、マイナスに作用する成長因子が少ないのです。
ただし、個人差が相当あるので、女性でもヘアサイクルが短い人や髪の毛が薄くなる人もいます。


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AGA治療前の写真


成長因子TGF-β(トランスフォーミング成長因子-ベータ)には、髪の毛の細胞分裂を抑制する作用があります。
AGA(男性型脱毛症)が進行するほとTGF-βは増加し、髪の毛の寿命は短くなります。


勘違いしないで頂きたいのは、TGF-βは体にとっては必要な成長因子ということです。
完全になくなってしまうと、体を維持することができなくなります。


AGA(男性型脱毛症)で悩む人は、成長因子TGF-βが必要以上に増え過ぎてしまっています。
その量を基準値まで減らす必要があるのです。


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AGA治療前の写真


AGA(男性型脱毛症)は、成長因子TGF-β(トランスフォーミング成長因子-ベータ)が増加するほど進行する脱毛症です。
TGF-βは、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の増加に比例して増えていきます。

しかし、DHTが増加してもTGF-βが増えにくい人もいます。
反対に、DHTが微増しただけでも、TGF-βが激増する人もいます。

これは受容体「アンドロゲンレセプター」の感度の違いによるものです。
アンドロゲンレセプターの感度が良い人ほど、TGF-βが増えやすく、AGAを発症してハゲやすいのです。

アンドロゲンレセプターの感度は遺伝によって決まっています。
AGAを発症してハゲやすいかどうかは、生まれて時に決まっているのです。

む、無慈悲だ・・・







AGA(男性型脱毛症)の治療は、成長因子TGF-β(トランスフォーミング成長因子-ベータ)を減少させることが基本戦略です。


最も現実的な選択肢は「フィナステリドの内服」です。

フィナステリドとは、薬の名前ではなく、薬の成分の名前です。
男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)の増加を抑制する作用があります。
その結果、成長因子TGF-βも減少し、AGAの発症を抑制する効果がある訳です。


フィナステリドの内服は、現在AGA治療で1番多くおこなわれている治療法です。

医師がAGAの治療をおこなう場合に参考にしている「男性型脱毛症診療ガイドライン」でも、推奨度Aという最も高い評価です。
この推奨度というのは、医師や製薬会社の研究者などのAGA治療の専門家が、その効果と安全性を基準に評価したものです。

少なくとも、AGAクリニックの医師は、最も有効な治療法とひとつと考えているのは間違いありません。


フィナステリドの内服は、他の治療法よりは費用が安く、効果もあり、安全度も高い治療法です。
ただし、医薬品を使用するので100%安全ではありません。



フィナステリドを主成分とする薬には、プロペシアやフィンペシア、フィナロイドなどがあります。

下の画像をクリックすると、商品の購入ページに移動します。
実際に薬を使用した人の口コミも多数書いてあります。
口コミをみるだけでも、いろいろと参考になります。











これらの薬は、どれもほぼ同じ効果と副作用です。
ただし、人によっては相性があります。
薬の主成分は同じフィナステリドでも、薬のコーティングに使用されている成分が違ったり、薬の製法が微妙に違ったりするからです。

ちなみに、私はフィンペシアを服用しています。


フィナステリドには、成長因子TGF-βを減少させ、AGA(男性型脱毛症)の発症を抑制する作用があります。
ただし、発毛効果はありません。
つまり、脱毛部分から髪の毛を生やす効果はないのです。


AGA(男性型脱毛症)の治療は、「AGAの発症原因を抑制する対策」と「髪の毛を生やす対策」の2つが必要なのです。

現在のAGA治療は、フィナステリドが主成分の薬のような「AGAの発症原因を抑制する効果がある育毛剤」と「発毛効果がある育毛剤」を併用するのが、標準的な治療法になりつつあります。
同時に使用することにより、相乗効果が期待できるからです。


最も発毛効果が高いのは、「ミノキシジル」という成分です。
ミノキシジルが使用されている育毛剤はいくつかあります。

プロペシアやフィンペシアの販売ページに書かれている口コミを見る限り、ミノキシジルと併用して使用している人が大半です。

口コミは、どの育毛剤を選択するべきかの参考になります。
実際の使用者の意見ですから。



成長因子TGF-β(トランスフォーミング成長因子-ベータ)は、AGA(男性型脱毛症)と非常に深い関係があります。

AGAを発症してしまったら、TGF-βを基準値まで減少させない限り、髪の毛はどんどん薄くなっていきます。

む、無慈悲だ・・・・


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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