AGAはハゲてから5年以上経つと、育毛剤での回復は難しくなる

髪の毛がハゲあがっている成人男性のほとんどは、AGA(男性型脱毛症)という脱毛症です。
AGAは、髪の毛の前頭部と頭頂部のみが薄くなっていく脱毛症です。
最終的には下のイラストのようにハゲあがります。


AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンが大きく関与した脱毛症です。
発症メカニズムは、簡単に言うと以下のとおりです。

①男性ホルモン「テストステロン」と酵素「5αリダクターゼ」が結合すると、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」がつくられる
②DHTが受容体「アンドロゲンレセプター」に結合すると、成長因子「TGF-β」がつくられる
③TGF-βが髪の毛が抜けるように指令をだし、ヘアサイクル(髪の毛の寿命)が短くなる

AGA(男性型脱毛症)とは、へサイクルを短くする脱毛症なのです。

健康な人のヘアサイクルは、男性が3年~5年、女性が4年~6年くらいです。
AGAが進行するほど、ヘアサイクルは短くなっていきます。
酷くなると、まだ産毛のうちに抜けるようになり、ハゲあがって見えます。


20161127.png


以前は、AGA(男性型脱毛症)になると、髪の毛を回復させることはおろか、現状を維持させることすら不可能でした。
発症原因を抑えることができなかったからです。

しかし、ここ数年でAGAの治療は飛躍的に進歩しました。
個人差はありますが、脱毛が始まってから初期の段階なら、相当回復できる場合がほとんどです。







AGA(男性型脱毛症)の最も有効な治療法は、「フィナステリド内服」と「ミノキシジル外用」の併用です。
AGA治療の効果と安全性を医療的観点から格付けした「男性型脱毛症診療ガイドライン2010」でも、この2つの治療法は「行うよう強く勧められる」という最高の評価です。


フィナステリドとは、薬の名前ではなく、薬の成分の名前です。
有名な薬には、プロペシアやフィンペシアなどがあります。
これらは内服薬で、1日1回1mgの小さな錠剤を決まった時間に服用します。
なお、フィナステリドは、女性の使用は禁止されています。


ミノキシジルも、薬の名前ではなく、薬の成分の名前です。
有名なリアップもミノキシジルが主成分です。
外用薬は、1日2回(育毛剤によっては1回のものもあり)、脱毛部分を中心に散布します。
ミノキシジルには内服薬もありますが、副作用の発生率が高いというリスクがあります。
このため、男性型脱毛症診療ガイドライン2010では、評価の対処外となっています。


20171216.JPG


私もAGA(男性型脱毛症)の治療は、フィナステリド内服とミノキシジル外用の併用で行っています。
上の写真がそれです。
左側は「フィンペシア」という内服薬で、主成分はフィナステリドです。
右側は「フォリックスFR05ローション」という外用薬で、主成分はミノキシジルです。

これらの薬は、オオサカ堂という個人輸入代行業者から購入しています。
下の画像をクリックすると、商品ページに飛びます。








オオサカ堂の商品ページには実際に育毛剤を使用した人たちの口コミが書かれています。
効果があった人もいれば、残念ながら、全く効果がなかった人もいます。

悲報ですが・・・

髪の毛がハゲあがってから5年以上経過してしまったら、育毛剤での回復は非常に難しくなっていきます。


20160908.jpg


私たち人間の体は、常に細胞分裂を繰り返しています。
しかし、その細胞分裂の回数は上限が決まっています。
人間の場合、一部の細胞を除いて、細胞分裂の回数は40~50回程度です。

髪の毛は毛母細胞(もうぼさいぼう)が細胞分裂をし、「ケラチン」というタンパク質が付着してできたものです。
毛母細胞の細胞分裂の上限も、ほぼ同じ40~50回程度です。


AGA(男性型脱毛症)は、ヘアサイクル(髪の毛の寿命)を短くする脱毛症です。
完全にハゲあがってしまうと、ヘアサイクルは健康な髪の毛より相当短くなります。
男性が3年~5年、女性が4年~6年くらいあるヘアサイクルが、人によっては3カ月程度にまで短くなる場合もあるそうです。

ヘアサイクルが3カ月と仮定すると、毛母細胞は、5年間で20回の細胞分裂をしたことになります。
細胞分裂の可能回数の半分程度を使ってしまったことになります。
ちなみに、細胞分裂は回数を重ねるほど、再生能力は低下していきます。

毛母細胞(もうぼさいぼう)が細胞分裂をしなくなると、二度と髪の毛が生えてくることはありません。
AGA(男性型脱毛症)発生の原因がなくなったとしてもです。
このため、AGA(男性型脱毛症)の治療は時間との戦いとも言えるのです。
まだ生きている毛母細胞(もうぼさいぼう)の延命治療なのです。


AGA(男性型脱毛症)を発症し、髪の毛がハゲあがってから5年以上経つと、育毛剤での回復は難しくなるといわれるのは、毛母細胞(もうぼさいぼう)が死滅してしまうからです。
自毛植毛など、治療法はかなり限定されてしまいます。


最後まで読んで頂きありがとうございました。



この記事へのコメント


この記事へのトラックバック