髪色が人種によって違うのはなぜ?

人間には何種類かの髪色があります。


東アジアや南アジアの人々は、ほとんどが黒髪です。
完全な直毛の人は少なく、よく見ると少しだけ癖毛(くせげ)です。
私たち日本人もそうです。

アフリカの人々も黒髪がほとんどですが、非常に縮れた癖毛です。
髪の毛を延ばすと、アフロのような状態になります。

地中海沿岸や中東の人は、黒髪より栗毛が多いです。
栗毛は、「茶髪」とか「ブリュネット」とも言われることもあります。

ヨーロッパには金髪の人もいます。
白人=金髪というのは誤解です。
むしろ、栗毛や栗毛に近い金髪の人の方が多いくらいです。
金髪は比較的貴重な髪色です。


人口比で最も多い髪色は黒髪です。
髪色は多い順に、黒髪>栗毛>金髪>赤毛になります。


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髪色は大きくわけると、黒髪、栗毛、金髪、赤毛、白髪になります。
完全な金髪や白髪という訳ではなく、良く見ると、少しだけ他の髪色が入っています。
黒髪でもよく見ると、微妙に個人差があります。
厳密に言うと、髪色が同じ人はいません。


青や紫、ピンクなどの色は、人間の髪色には存在しません。
その様な髪色をしている人は、永久染毛剤 (パーマネントヘアカラー)による染色です。
若しくは、アニメの世界だけの話です。


ただし、赤い髪色は実際に存在します。
赤毛と言い、髪の毛の色のなかでは最も珍しい髪の毛の色です。
原色に近い赤の人はもの凄く貴重です。
下の写真のように、少し金髪が入ったような赤毛の人の方が多いです。


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髪の毛は、毛母細胞(もうぼさいぼう)が分裂してできたものです。

毛母細胞は頭皮の下にあり、細胞分裂を繰り返しています。
分裂した毛母細胞(もうぼさいぼう)は「その場に残るもの」と「毛乳頭から離れて上に伸びていくもの」に分かれます。
離れて上に伸びていった毛母細胞が、角質化して髪の毛になります。

角質化とは、細胞にケラチンが沈着して硬くなることです。
角質化した細胞は活動を停止します。
つまり、死んでしまった細胞ということです。
そのため、髪の毛は痛んでも修復することはありませんし、切っても痛みを感じません。


できたばかりの髪の毛は「白髪」です。
髪の毛が成長していく過程で色がつきます。
産毛として頭皮の表面にでてくるころには色がついています。

髪の毛は、毛母細胞の少し上にある「メラノサイト」という細胞により色が付けられます。
細胞についた色素のことを、一般的には「メラニン」と言います。


メラノサイトの活性力が弱くなると、髪色は白髪になります。

個人差がかなりあるのですが、白髪は30代を過ぎた頃から少しずつ生え始めます。
一般的には、男性は30代前半くらい、女性は30代後半くらいに、白髪が生えていることに気づく人が多いです。
男性の方が白髪が生えるのが早いのは、メラノサイトの活性力が弱くなるのが早いからです。







髪色は、メラニンの「種類」と「比率」によって決まります。

メラニンには、黒~褐色の「ユウメラニン」と、赤~黄色の「フェオメラニン」の2種類があります。
この2種類の割合により、髪色が決まるのです。


黒髪・・・ユウメラニンがとても多い、フェオメラニンが少ない

栗毛・・・ユウメラニンがふつう、フェオメラニンが少ない

金髪・・・ユウメラニンが少ない、フェオメラニンが少ない

赤毛・・・ユウメラニンが少ない、フェオメラニンが多い若しくは普通

白髪・・・ユウメラニンがない、フェオメラニンがない


ユウメラニンが多いと、フェオメラニンの特徴は表れにくくなります。
大雑把に言うと、ユウメラニンの量で、黒髪>栗毛>金髪(又は「赤毛」)、という感じになります。

ユウメラニンが少ないと、フェオメラニンの特徴がよく表れるようになります。
この場合、フェオメラニンが多いと赤毛に、少ないと金髪になります。

ユウメラニンとフェオメラニンが全く無ければ白髪になります。


ちなみに、黒髪の日本人がヘアブリーチをしても、完全な白髪にするのは難しいです。
通常は、薄い金髪のような色にしかなりません。
これはヘアブリーチに使用されている薬品が、ユウメラニンは脱色しやすく、フェオメラニンは脱色しにくいからです。


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参照:woodleywonderworks


髪色が人種によって違うのは、環境に適応するために変化したからです。

暑い地域と寒い地域では紫外線の量や気温が違います。
このような自然環境に適応するために、人間は髪の毛の色や質を変化させてきたのです。


だから、生物学的には、生まれ持った髪の毛のままが良いのです。
長い時間をかけて、住んでいる環境に体が適応した結果だからです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。



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