デュタステリドとは?その効果と副作用について

AGA(男性型脱毛症)に1番効果のある育毛剤は?

答えは「デュタステリド」です。
デュタステリドとは、薬の名前ではなく、「薬の成分」の名前です。


デュタステリドが主成分の薬には、ザガーロやアボルブ、デュプロスト、ベルトリドなどがあります。
これらは、すべて内服薬です。

最初のデュタステリドが主成分の薬は「ザガーロ」です。
イギリスのグラクソ・スミスクライン社が開発しました。
下の写真がサガーロです。
その他のデュタステリドが主成分の薬は、ジェネリック医薬品、又は、実質的なジェネリック医薬品(ジェネリック医薬品ではないが主成分のデュタステリドは同じ)です。

効果や副作用は、どのデュタステリドも、ほとんど同じです。
「ほとんど同じ」というのは、薬の主成分は同じでも、コーティングなどの「その他成分」に違いがあるからです。
人によっては、薬によって、効果や副作用に違いがでる場合も希(まれ)にあります。


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2018年1月現在、AGA(男性型脱毛症)の発症・進行を抑制することができる成分は、フィナステリドとデュタステリドしか存在しません。
エビデンス(科学的根拠)があるのは、この2種類だけです。
ちなみに、これらが主成分の育毛剤は、AGA治療の医薬品として承認されています。


AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンが大きく関与した脱毛症です。
発症メカニズムは、以下のとおりです。

AGA(男性型脱毛症)の発症メカニズム

①男性ホルモン「テストステロン」と酵素「5αリダクターゼ」が結合すると、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」がつくられる
②DHTが受容体「アンドロゲンレセプター」に結合すると、成長因子「TGF-β」がつくられる
③TGF-βが髪の毛が抜けるように指令をだし、ヘアサイクル(髪の毛の寿命)が短くなる


AGA(男性型脱毛症)は、ヘアサイクル(髪の毛の寿命)を短くする脱毛症です。
TGF-βが増加するほど進行していきます。


フィナステリドとデュタステリドには、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑制する作用があります。
DHTが抑制されるということは、TGF-βの生成も抑制されるということです。
その結果、AGAの発症・進行を抑制することができる訳です。



フィナステリドとデュタステリドは非常に似た作用をする育毛剤ですが、大きな違いが2つあります。

フィナステリドとデュタステリドの違い
①デュタステリドの方が作用範囲が大きい
②デュタステリドの方が作用が強い


フィナステリドとデュタステリドには、その作用範囲に違いがあります。

男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」は、男性ホルモン「テストステロン」と酵素「5αリダクターゼ」により生成されます。
5αリダクターゼには、Ⅰ型とⅡ型の2種類があります。
Ⅰ型は髪の毛だけでなく、ほぼすべての体毛に存在しています。
Ⅱ型は、前頭部と頭頂部のみに存在します。

フィナステリドは、テストステロンと5αリダクターゼⅡ型からDHTが生成されるのを抑制します。
一方、デュタステリドは、テストステロンと「5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の両方」からDHTが生成されるのを抑制します。

ただし、DHTの大部分は、テストステロンと5αリダクターゼ2型により生成されます。
作用範囲の違いについては、無視してもいいレベルの話です。


重要なのはもう一つ、フィナステリドとデュタステリドの作用の強さの違いです。

フィナステリドを服用すると、DHTの血中濃度は半分程度にまで低下します。
一方、デュタステリドを服用すると、DHTの血中濃度は1/10近くまで低下します。
このため、フィナステリドで効果がなかった人でも、デュタステリドでは効果が得られる場合もあります。


デュタステリドは、フィナステリドの強化版といったところです。







デュタステリドの効果についてです。

デュタステリドが主成分の薬「ザガーロ」の添付文書より検証します。
ザガーロカプセルの添付文書.pdf


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グラクソ・スミスクライン株式会社ホームページより


プラセボ、フィナステリド1mg、サガーロ(デュタステリド)0.1mg及び0.5mgを24週間投与した時の「毛髪数の増減」のデータです。
ちなみに、プラセボとは偽の薬のことです。

「毛髪数の増減」の定義は、頭頂部の直径2.54cmの円のなかにおける直径30μm以上の非軟毛の数の比較データです。
「ベースラインからの変化量」は、被験者の平均値です。


プラセボは、残念ながら髪の毛の数が減ってしまいました。
AGA(男性型脱毛症)が少し進行しています。

フィナステリド1mgは+56.5本です。
なかなか効果がでている数値です。

サガーロ(デュタステリド)0.1mgは+63本、0.5mgは+89.6本です。
0.1mgで、フィナステリド1mgとだいたい同じくらいの効果です。
0.5mgでは、フィナステリド1mgの約1.6倍の効果がありました。


ザガーロの添付文書にはありませんが、「毛髪の太さの変化」や「DHT(ジヒドロテストステロン)の血中濃度の変化」についての臨床データもあります。
もちろん、サガーロ(デュタステリド)0.5mgの方が、フィナステリド1mgよりも効果があります。

デュタステリドが、AGA(男性型脱毛症)に1番効果のある育毛剤であることは間違いありません。


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デュタステリドの副作用についてです。

同じく、ザガーロの添付文書より検証します。
ザガーロカプセルの添付文書.pdf


4.副作用

第Ⅱ⁄Ⅲ相国際共同試験において、本剤が投与された総症例557例(日本人120例を含む)中、95例(17.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。
その主なものは、勃起不全24例(4.3%)、リビドー減退22例(3.9%)、精液量減少7例(1.3%)であった。

日本人120例中、臨床検査値異常を含む副作用が報告された症例は14例(11.7%)であった。
その主なものは、リビドー減退7例(5.8%)、勃起不全6例(5.0%)、射精障害2例(1.7%)であった。

(承認時)



第Ⅱ⁄Ⅲ相国際共同試験とは、新薬が承認される以前に行われる臨床試験で、かつ、複数の国又は地域で同時に実施する臨床試験のことです。


デュタステリドの承認時の副作用の発生率は17.1%です。
承認時とは、市場にでる前の段階のことです。
かなり高い数値です。
ちなみに、フィナステリドの承認時の副作用発生率は4.0%です。


デュタステリドは、育毛剤としては副作用の発生率が高いです。


デュタステリドの副作用の発生しやすい理由は、血液中の成分半減期間にあります。
フィナステリドが血液中の濃度が半減するまでにかかる時間は約3時間半です。
これに対し、デュタステリドは半減するまでに約14日かかります。

デュタステリドは、体の中に残り続ける成分です。
AGA(男性型脱毛症)の発症原因を抑制効果は強いですが、副作用が発生する確率も高いということです。


副作用について少し恐怖をあおってしまったかもしれませんが、これは承認時(販売前の臨床データ)です。
デュタステリドが市場にでたのは、2016年6月13日です。
使用成績調査のデータ(販売後の臨床データ)は、まだありません。
通常、使用成績調査の方が副作用発生率は相当低いです。


副作用は軽微なものがほとんどです。
必要以上に警戒する必要はありません。
ただし、異常を感じたら服用を中止して、医師に相談した方がいいでしょう。







デュタステリドでAGA(男性型脱毛症)の治療をおこなう場合
1日1回1錠(0.5mg)を、毎日決まった時間に服用します。

1日0.5mgという服用量はものすごく少ない量ですが、この量で十分な効果を発揮します。
この量は、副作用と治療の効果を考えたときの最適な服用量です。


用法・容量を必ず守って使用して下さい。

主な使用上の注意
1.服用量を守る
2.肝臓に不安があれば飲まない
3.未成年は飲まない
4.女性は飲まない
5.献血をしてはいけない



デュタステリドの入手方法は、「病院で処方してもらう方法」と「個人輸入により入手する方法」があります。

下のバナーをクリックすると、オオサカ堂という老舗の個人輸入代行業者のサイトに飛びます。
そこから購入することができます。








これらの商品ページには、実際に薬を使用した人の口コミが書かれており、誰でも見ることができます。
デュタステリドの使用者は、以前フィナステリドを使用していた人が多いです。


たこやき
[ザガーロ/アボルブジェネリック]デュプロスト(Duprost)0.5mg

50代ですが、確実に増えています。
プロペシアからフィンペシア
そしてデュプロストへたどり着きました。
側頭部や頭頂部の毛髪が徐々にですが増えています。
フィナからデュタに変えること、コストのこと、
副作用のこと、いろいろ悩みましたが正解でした。
ミノタブと併用です。
詳細はもっともっと結果が出てからの報告にします。



booo
[ザガーロ/アボルブジェネリック]デュプロスト(Duprost)0.5mg

もともとフィンカーやフィンペシアを飲んでました。
効果を感じないまま数年飲み続けたのですが、
ここ2年ほど抜け毛がかなり増えてきたので、
ダメ元でこれを飲み始めることにしました。

飲み始めて1ヶ月程ですがかなり効果を実感しています。
抜け毛が半減し皮脂も減ってきて、脂漏性皮膚炎も治りました。
副作用としては、初期脱毛はなかったと思います。
ただ性欲はかなりなくなりました。
1日1錠を続けていますが胸が出てきたりなどの女性化も今のところ起こっていません。
とりあえず様子を見ながら続けていくつもりです。



リョウ
[アボルブジェネリック]ベルトリド(Veltride)0.5mg

私はプロペシアを2年以上使用してきましたがデュタステリドに変わりました。
プロペシアは後頭部に効果があるのですがそれ以上にデュタステリドは前頂部から後頭部に効果があります。抜け毛が減るだけでなく発毛を促進させる効果があります。非常にオススメです。



コメントには、デュタステリドには発毛効果があると書かれているものがあります。
しかし、デュタステリドに発毛効果はありません。
デュタステリドの服用によりAGA(男性型脱毛症)の発症原因がなくなったので、まだ元気な毛母細胞(もうぼさいぼう)が正常な活動に戻り、その結果、髪の毛が生えているのです。


デュタステリドは強力な育毛剤です。
フィナステリドに代わり、AGA(男性型脱毛症)治療の主役になるのか、非常に興味があります。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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