この記事タイトルに衝撃をうけた人もいるかもしれません。
しかし、これは事実です。
ただし、勘違いされないように補足すると、最近では十分に安全性を考慮して行われるため、トラブルが起きることは稀です。
治験ボランティアは、新薬を開発するためには必要なものです。
「治験バイト」とか「新薬モニター」とか呼び方はいろいろあります。

新薬(新しい医薬品)を開発するのは、もの凄く大変な作業です。
長い開発期間と莫大な開発コストがかかります。
新薬が製造・販売されるまで大まかな流れは、以下のとおりです。
基礎研究(2年~3年)
↓
非臨床試験(3年~5年)
↓
臨床試験(3年~7年)
↓
製造販売承認申請(1年~2年)
↓
製造・販売
最初の「基礎研究」の工程では、薬の候補となる物質(化合物)を見つけ出します。
「病気のもととなるタンパク質」と「薬の候補となる化合物」の組み合わせは100億とおり以上あります。
すべての可能性を調べることは不可能なので、専門家の勘と経験に頼って行われます。
物凄く根気が必要な作業になります。
その後、「非臨床試験」の工程に移行します。
薬の候補の物質(化合物)は、動物や培養細胞(ばいようさいぼう)により試験をし、その有効性や安全性を研究します。
この工程が完了した時点で、見た目には薬のかたちになります。
これを治験薬(ちけんやく)と言います。
更にその後、「臨床試験」の工程に移行します。
この工程で、治験薬を人体に対して使用します。
臨床試験には3つのステップがあります。
第1相試験(フェーズⅠ)は、初めて人間に対して、治験薬を使用します。
少数の健康な人に対して使用し、主に副作用などの安全性について調査します。
治験ボランティアは、この第Ⅰ相試験にあたります。
第2相試験(フェーズⅡ)は、少数の患者に対して使用し、有効で安全な投与量・投与方法などを調査します。
第3相試験(フェーズⅢ)は、多数の患者に対して使用し、有効性と安全性について調査します。
同様の薬がある場合には、その薬との比較を行う場合が多いです。
新薬が完成したら必、厚生労働省に対して「製造販売承認申請」を行います。
今まで行ってきた様々な試験結果も申請資料として一緒に提出します。
そして、厚生労働大臣より「製造販売承認」が与られれば、新薬の製造・販売が可能になります。
治験ボランティアは、治験薬を初めて人間に対して使用する行為です。
動物や培養細胞などの試験では得られないデータをとるための試験です。
治験ボランティアが人体実験であることは事実です。
「治験ボランティアは安全なのか?」と言えば、安全ではありません。
では、「治験ボランティアは危険なのか?」と言われれば、そんなに危険だとも言い切れません。
治験ボランティアはトラブルが発生しない場合がほとんどですが、全く発生しないという訳でもありません。
100%安全のものではありません。
その証拠に、治験ボランティアを行う前には、誓約書を書かされます。
どのくらいの頻度でトラブルが発生するのかはわかりません。
私の知り合いにも、治験ボランティアをしたことのある人が2人います。
その人たちには、全く副作用は発生しませんでした。
もう10年以上前の話ですが、大手製薬会社で新薬の開発をしていた人と、「第1相試験(フェーズⅠ)」について話した事があります。
その人の話では、「副作用は時々発生し、ほとんどは軽微なものだけど、重大な副作用が発生する場合も稀にある」との事でした。
ただ、「薬の種類により相当の違いがあるので、一概には言えない」とも言っていました。
新薬の開発は大手の製薬会社しかできません。
しかし、「治験ボランティア」を実際に行っているのは、零細企業の場合が大部分です。
大手の製薬会社は「第1相試験(フェーズⅠ)」を自分たちでは行わず、外注というかたちをとり第3者にやらせています。
これはトラブルが発生する可能性があるからです。

安全性を重視するなら、治験ボランティアはやらない方がいいでしょう。
これはあくまで私個人の素人の意見なので、あまり参考にされても困りますが・・・
もし事情があり、どうしても治験ボランティアをやらなければならない場合には、日本国内の治験ボランティアにして下さい。
外国での治験ボランティアは、国によって危険性が高い場合もあります。
特に、インドでは絶対に行わないで下さい。
治験ボランティア、皆さんはどう思いますか?
世の中は甘いものではありません。
「楽をしてお金を儲けるという上手い話はない」
そう思っていた方が、トラブルに巻き込まれる事は少なくなるでしょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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