染色とは、髪の毛に色を付けることを目的とした方法です。
使用する薬品の種類により、3つに分類されます。
1.永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)
2.半永久染毛料(セミパーマネントヘアカラー)
3.一時染毛料(テンポラリーヘアカラー)
脱色とは、髪の毛の色を抜くことを目的とした方法です。
脱色剤(ヘアブリーチ)を使用します。
髪の毛に色をつけることはしません。
Liese Prettia 泡カラー(花王)
今回の記事は、永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)についてです。
永久染色剤は、染料を髪の毛の内部にまで浸透させ、色をつけます。
医薬部外品に分類されます。
医薬部外品・・永久染毛剤、脱色剤
化粧品・・・半永久染毛料、一時染毛料
医薬部外品や化粧品は、薬や化粧品などに対して、厚生労働省が決めた区分です。
医薬部外品の方が効果はありますが、使用するリスクは高いです。
永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)は、「酸化染毛剤」と「非酸化染毛剤」にわけられます。
酸化染毛剤の商品は、「ヘアカラー」や「白髪染め」などと呼ばれています。
一般的に、髪の毛を染めると言うときは、酸化染毛剤を使用して染めることを言います。
2種類の液体を混ぜて使用します。
最近では、泡タイプの商品が多いです。
最も普及している染色方法なので、品揃えは非常に豊富です
非酸化染毛剤の商品は、「マインドカラー」や「オハグロ式白髪染め」などと呼ばれています。
2種類の液体を交互に使用します。
商品の種類も数も少ないです。
参照:Tiful
永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)で髪の毛が染まる仕組みを説明する前に、髪の毛の構造について話します。
この事を知っている方が理解が深まるからです。
人間の体毛はすべて同じ構造です。
太さやヘアサイクルなどに違いはありますが。
髪の毛は、毛母細胞(もうぼさいぼう)という細胞が角質化(かくしつか)してできたものです。
毛母細胞とは、皮膚表面の下にある細胞です。
この細胞が細胞分裂を繰り返すと、その場に残る細胞と皮膚の表面にいく細胞にわかれます。
皮膚の表面にいく細胞は、角質毛していき髪の毛になります。
角質化とは、細胞に、タンパク質のケラチンから成る角質が付着することです。
角質化した細胞は活動を終了します。
体毛や爪は角質化した細胞です。
痛みを感じることはありませんし、キズができても修復することはありません。
すでに死んでしまった細胞です。
髪の毛は3層構造になっています。
外側から、「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」です。
キューティクルは一番外側です。
主成分は、かたいタンパク質です。
半透明の魚の鱗(うろこ)のようなものが4層~10層重なっていて、髪の毛の内部を守っています。
最表面にあるため、傷つきやすいのが特徴です。
髪の毛の艶(つや)や触った時の感触は、このキューティクルの状態によって決まります。
髪の毛は死んでしまった細胞であるため、自己修復ができません。
もちろん、キューティクルも。
コンディショナーやリンスを使うことにより髪の毛がツヤツヤで指どおりが良くなるのは、表面を化学薬品で覆っているからです。
コルテックスは中間部です。
主成分は、繊維状のタンパク質です。
髪の毛の85%~90%はコルテックスです。
コルテックスのタンパク質や脂肪、水分量により、髪の毛の太さや柔軟性が決まります。
髪の色も、この部分のメラニン色素が決めています。
永久染毛剤 (パーマネントヘアカラー)は、コルテックスに色素を浸透させます。
髪の毛は死んでしまった細胞です。
色素が内部に入っても、痛みを感じたり、拒否反応を起こすことはありません。
大丈夫です。
メデュラは中心部です。
主成分は、やわらかいタンパク質です。
メデュラは外的な刺激で空洞ができやすい特徴があります。
空洞部分ができてしまうと、透過する光が乱反射して、白っぽく見えます。
メデュラについては、現時点では、わからないことが多いです。
酸化染毛剤で、髪の毛が染まる仕組みについてです。
使用する薬品は、酸化染剤とアルカリ剤、酸化剤(過酸化水素水)になります。
酸化染剤は、酸化することにより発色する染料です。
ジアミン系の染料が使用されている場合が多いです。
これを髪の毛の内部に入れて色を変化させます。
アルカリ剤は、髪の毛につけ、キューティクルをアルカリ性にするものです。
アンモニアが1%~15%の濃度で含まれている場合が多いです。
酸化剤(過酸化水素水)は、その名のとおりで、酸化染剤を酸化させます。
また、過酸化水素水には、メラニン色素を薄くする作用があります。
ヘアカラーや白髪染めなどの酸化染毛剤は、基本的には2本の薬剤が入っています。
1剤に酸化染剤とアルカリ剤、2剤に酸化剤(過酸化水素水)が含まれています。
Beautylabo ミルキィヘアカラー(hoyu)
まず、1剤と2剤を混ぜ合わせた混合液をつくり、髪全体に塗ります。
しばらくすると、アルカリ剤の作用により、キューティクルが開きます。
これにより、酸化染剤や酸化剤(過酸化水素水)がコルテックス内部にまで浸透することが可能になります。
コルテックス内部まで浸透した酸化剤(過酸化水素水)は、アルカリ剤と反応することにより、脱色作用を発生させます。
メラニン色素を分解し、髪の毛の色を脱色します。
同じく、コルテックス内部まで浸透した酸化染剤は、酸化剤(過酸化水素水)の反応し、色を発するようになります。
混合液を洗い流すと、キューティクルは閉まり元の状態に戻ります。
色を発するようになった酸化染剤は、そのまま髪の毛の内部に残り、髪の毛の色は変化します。
同時に脱色もすることにより、酸化染料の色が目立ちやすくなります。
髪の毛の内部に酸化染料などの薬品を浸透させる事に、不安をもつ人もいると思いますが、安心して下さい。
髪の毛は死んだ細胞です。
化学薬品を入れても大丈夫です。
マロン マインドカラー(Henkel)
非酸化染毛剤で、髪の毛が染まる仕組みについてです。
使用する薬品は、ポリフェノールと鉄イオンです。
商品には2本の薬剤が入っています。
1剤にポリフェノール、2剤に鉄イオンが含まれています。
まず、1剤を髪の毛につけて15分ほど放置します。
キューティクルが開き、ポリフェノールがコルテックス内部にまで浸透します。
その後、1剤と同量の2剤を髪の毛に塗ります。
更に15分ほどすると、鉄イオンがポリフェノールと反応し、色を発するようになります。
髪の毛についた1剤と2剤を洗い流すと、キューティクルは閉まり元の状態に戻ります。
非酸化染毛剤のメリットは、酸化染毛剤よりアレルギーが起こりにくいことです。
それでも、体質によっては起きることもあります。
非酸化染毛剤のデメリットは、脱色作用がないので、黒っぽい色しか染めることはできません。
また、非酸化染毛剤で染色後の髪には、パーマがかかりにくくなることもあります。
永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)により、髪の毛を染める時には注意が必要です。
液剤を頭皮や皮膚につけないようにして下さい。
もしアレルギー反応をおこしてしまったら、すぐに使用を中止して下さい。
自己判断できない時は、皮膚科医の診察を受けた方がいいです。
安全性を確保するのためにも、使用前には、毎回必ず皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を行って下さい。
商品の注意事項を守っていれば、オシャレを楽しむことができます。
(^-^)
Beauteen メイクアップカラー(hoyu)
髪の毛の色を変える方法は、永久染毛剤 (パーマネントヘアカラー)以外にもいくつかあります。
染色や脱色に関する記事
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
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