そのような場合には、脱色剤(ヘアブリーチ)により、髪の毛の色を抜く必要があります。
髪の毛に色がついているのは、メラニン色素が含まれているからです。
脱色剤(ヘアブリーチ)には、このメラニン色素を薄くする作用があります。
白人と日本人では髪質が違います。
髪の毛の太さも、白人の方がかなり細いです。
脱色剤(ヘアブリーチ)により、髪の毛の色を同じにしても、全く同じような感じにはなりません。
髪の毛の色を変える薬剤は、大きく4種類に分類されます。
①永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)
②半永久染毛料(セミパーマネントヘアカラー)
③一時染毛料(テンポラリーヘアカラー)
④脱色剤(ヘアブリーチ)
染色するには、永久染毛剤・半永久染毛料・一時染毛料を使用します。
脱色するには、脱色剤(ヘアブリーチ)を使用します。
染色だけでは、キレイな金髪にすることはできません。
髪の毛にメラニン色素が残っているからです。
脱色剤(ヘアブリーチ)により、メラニン色素を少なくする必要があります。
今回の記事は、脱色剤(ヘアブリーチ)についてです。
脱色も染色と同じように、髪の毛の色を変化させます。
脱色剤(ヘアブリーチ)だけで、黒髪を、栗毛や金髪にすることはできます。
白髪になるかは微妙です。
赤毛や紫、青などの色にすることはできません。
脱色剤(ヘアブリーチ)は、髪の毛のメラニン色素を薄くします。
メラニン色素には、黒~褐色の「ユウメラニン」と赤~黄色の「フェオメラニン」の2種類があります。
髪の毛の色は、メラニンの種類と量によって決まります。
人間の髪の毛の色は、黒髪、栗毛、金髪、赤毛、白髪の5色です。
このなかで、赤毛だけは特殊な色でフェオメラニンを多く含んでいます。
白髪は、ユウメラニンとフェオメラニンが共にない状態です。
脱色剤(ヘアブリーチ)を使用すると、主にユウメラニンが薄くなっていきます。
ユウメラニンの量の多い順から、黒髪>栗毛>金髪>白髪です。
脱色剤(ヘアブリーチ)をすることにより、黒髪→栗毛→金髪→白髪?
というように、髪の毛の色が変化していきます。
白髪は、少しでもメラニン色素が残っていると出ない色です。
通常の脱色剤(ヘアブリーチ)では難しいです。
脱色剤(ヘアブリーチ)だけで確実にだせる色は、下の写真の金髪くらいまでになります。
髪の毛の仕組みについてです。
髪の毛は、外側から、「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層構造です。
メラニン色素は、中間部のコルテックスに含まれています。
コルテックスは髪の毛の85%~90%もあり、最もボリュームのある部分です。
髪の毛は最初は白髪なのですが、成長する過程でメラニン色素により色がついてきます。
メラニンの種類と量により、髪の毛の色が決まります。
メラニン色素の生成ができなくなると、髪の毛は白髪のまま生えてきます。
髪の毛は毛母細胞(もうぼさいぼう)という細胞が分裂して、そして、角質化(かくしつか)したものです。
毛母細胞は細胞分裂をしています。
分裂した毛母細胞は「その場に残るもの」と「上に伸びていくもの」に分かれます。
上に伸びていった毛母細胞が、角質化して髪の毛になります。
髪の毛だけでなく、人間の体毛はすべて同じ構造です。
角質化とは、細胞に「ケラチン」というタンパク質が沈着して硬くなることです。
人間の部位では、体毛や爪が角質化した細胞です。
角質化した毛母細胞(もうぼさいぼう)は活動を停止します。
つまり、死んでしまいます。
角質化した細胞は感覚がないので、寒さや熱さを感じることもありませんし、痛みも感じません。
髪の毛や爪を切っても痛みを感じないのは、角質化した細胞だからです。
もちろん、痛んでも修復することはありません。
Palty ナチュラルブリーチ (ダリヤ)
脱色剤(ヘアブリーチ)の製品は、「ヘアブリーチ」「ヘアライトナー」などと呼ばれています。
これらの商品は、医薬部外品に該当します。
医薬部外品・・・脱色剤、永久染毛剤
化粧品・・・半永久染毛料、一時染毛料
医薬部外品の方が、髪の毛や頭皮に負担をかけます。
脱色剤(ヘアブリーチ)で使用する基本的な薬品は、アルカリ剤と酸化剤(過酸化水素水)です。
1剤がアルカリ剤、2剤が酸化剤(過酸化水素水)となっています。
アルカリ剤は、アンモニア水を使用している場合が多いです。
ちなみに、これに「酸化染剤」を加えたのが、永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)です。
脱色剤・・・アルカリ剤+酸化剤(過酸化水素水)
永久染毛剤・・・アルカリ剤+酸化剤(過酸化水素水)+酸化染剤
GATSBY EX ヘアブリーチ (mandom)
脱色剤(ヘアブリーチ)は、1剤と2剤の混合液(ヘアブリーチ液)をつくり、髪の毛に塗ります。
最近では、1剤と2剤に加えて、パウダーがついている商品があります。
パウダーの成分は、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどです。
アルカリ剤が髪の毛の表面のキューティクルを開きます。
キューティクルが開くことにより、酸化剤(過酸化水素水)は髪の毛の内部まで浸透することができるようになります。
髪の毛の内部まで浸透した「酸化剤(過酸化水素水)」が髪の毛のメラニン色素を分解し、髪の毛の色を脱色します。
混合液(ヘアブリーチ液)を洗い流すことにより、キューティクルは閉まり、元の状態に戻ります。
髪の毛に色を付けていたメラニン色素は少なく(薄く)なります。
これが、脱色剤(ヘアブリーチ)の作用メカニズムです。
脱色剤(ヘアブリーチ)をすると、メラニン色素だけでなく、髪の毛の中の他のものまで抜けてしいます。
髪の毛にはタンパク質なども詰まっています。
ブリーチをすることにより、これ等も抜けてしまいます。
脱色剤(ヘアブリーチ)を何回もしたり、規定時間を大きく超えて使用すると、髪の毛が溶けて無くなってしまう事もありえます。
また、脱色剤(ヘアブリーチ)には、熱を加える事で、脱色力が強くなる性質があります。
髪の毛全体に均等に脱色剤(ヘアブリーチ)を付けると、髪の毛の生え際だけ明るい金髪になり、毛先は暗っぽくなる事が多いです。
beauteen ベースアップブリーチ (hoyu)
脱色剤(ヘアブリーチ)の基本的な使用方法です。
1.使用前の準備
まずは使用説明書をよく読んで下さい。
商品によっても多少の違いがあります。
これ、とても重要です。
付属品の確認もして下さい。
最近の商品は、クリームとウォーター、更に「パウダー」が付属しているものが多いです。
皮膚を保護するために、耳や生え際に油性クリームを塗ります。
ニベアクリームなどが良いです。
これをする事により、液が付いても簡単に落とせます。
2.ヘアブリーチ液をつくる
1剤と2剤、商品によってはパウダーも混ぜ合わせ、「ヘアブリーチ液」をつくります。
つくり方も商品によって多少の違いがあります。
ブリーチ液をつくったら、すぐに塗り始めてください。
そのままにしておくと、容器から液があふれ出る事があります。
3.ヘアブリーチ液を髪の毛に塗る
ヘアブリーチ液を塗る前には手袋をします。
ほとんどの商品には手袋が付属してついていますが、入っていない場合には自前で用意して下さい。
ヘアブリーチ液は、明るくなりにくい頭の後ろから塗り始めると、ムラなく脱色することができます。
襟足→後頭部→サイド・頭頂部→前髪
と塗っていくとキレイに脱色できます。
ブリーチ液を髪の髪全体によくなじませます。
ただし、髪の毛の根元は無理をして付けないで下さい。
髪の毛の根元(地肌から2cm~3cm)は、他の部分より明るくなりやすい部分です。
また、ブリーチ液が頭皮についてしまう事により、頭皮トラブルが発生するリスクもあります。
顔などにブリーチ液が付いてしまったら、ティッシュペーパー等でふき取って下さい。
4.放置する
10分~30分程度放置します。
放置時間が長くなるほど、明い髪色に仕上がります。
髪の毛の質によっても、放置時間に多少の違いがでてきます。
細くて柔らかい髪の毛は放置時間が短く、太くて硬い髪の毛は放置時間が長くなります。
ムラなく仕上げるコツとして、放置時間中に、時々手ぐしでブリーチ液をなじませ直します。
髪全体が均等に明るくなります。
髪の毛の根元はこの時にブリーチ液を付けてもいいでしょう。
頭皮に付けやように注意して下さい。
明るさアップさせるためには、放置時間に髪の毛をラップで覆うと効果があります。
明るい髪色に仕上がります。
ただし、ラッピング中に頭皮に強い刺激を感じる場合もあります。
そのような時は、すぐにラップを外してください。
5.ヘアブリーチ液を洗い流す
手袋をしたまま、ぬるま湯でブリーチ液をよく洗い流して下さい。
その後、いつものように、シャンプーして下さい。
その後、商品によっては、専用のトリートメントが付属しているものあります。
そのような場合には、専用のトリートメントを髪全体にもみこみ、しばらく待ちます。
この時間も商品によって違いがあるのですが、
通常は3分~5分程度で、洗い流します。
コンディショナーで仕上げ、髪の毛を乾かしたら完成です。
なお、残ったブリーチ液は保存できません。
使用した手袋と一緒に捨てて下さい。
脱色は、ビールやリンスなどでも可能です。
しかし、そのような事は絶対にしないで下さい。
トラブルが発生した事例が多数あります。
脱色する時は、市販されている脱色剤(ヘアブリーチ)でおこなって下さい。
髪の毛の染色や脱色には、いくつかの方法があります。
以下にまとめてあります。
髪の毛の染色や脱色の仕組みに関する記事
髪の毛の色を染める仕組み~永久染色~
半永久染毛料(セミパーマネントヘアカラー)とは?
一時染毛料(テンポラリーヘアカラー)とは?
脱色剤(ヘアブリーチ)とは?←この記事
これらの方法には、それぞれに長所と短所があります。
自分にあった方法を選択して下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事へのコメント