パントガールの「インターナショナル版」と「オーストリア版」の違い

パントガールは、女性のびまん性脱毛症(女性型脱毛症)分娩後脱毛症(出産後脱毛症)の治療に効果を発揮する飲む育毛剤です。
「インターナショナル版」と「オーストリア版」の2種類が存在します。

下の画像の左側がインターナショナル版で、右側がオーストリア版です。
カプセルの色が違います。
また、含まれている成分にも違いがあります。


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脱毛症にはいくつかの種類があります。
女性が最もなりやすい脱毛症は、びまん性脱毛症(女性型脱毛症)です。
その次になりやすい脱毛症は、分娩後脱毛症(出産後脱毛症)です。

びまん性脱毛症(女性型脱毛症)とは、髪の毛が全体的に薄くなっていく脱毛症です。
髪の毛の密度が薄くなり、髪の毛自体が細くなることもあります。
酷くなると地肌が見るようになります。
分娩後脱毛症(出産後脱毛症)も見た目には似たような症状です。
共に、女性モルモンが関与しているという共通点があります。


女性が医師の指導により薄毛を治す場合には、パントガールを使用することになることが多いです。
なぜなら、びまん性脱毛症(女性型脱毛症)や分娩後脱毛症(出産後脱毛症)の発症原因を抑制することができる育毛剤は、このパントガールとルグゼバイブ(ドクターゼロ)くらいしか現時点では存在しないからです。

パントガールの服用は、女性専用の薄毛クリニックで最も多くおこなわれている治療法です。
「インターナショナル版」が使用されることが多いです。







パントガールには、「インターナショナル版」と「オーストリア版」があります。
それぞれどのような成分が含まれているのか、比較してみました。


パントガール(インターナショナル版)の成分は、以下のとおりです。

パントガール(インターナショナル版)1粒あたりの含有成分

主成分
・ビタミンB1・・60mg
・D-パントテン酸カルシウム・・60mg
・薬用酵母(Vigar-yeast)・・100mg
・L-シスチン・・20mg
・ケラチン・・20mg
・パラアミノ安息香酸・・20mg

その他成分
・E132色素 (インジゴチン)



主成分の作用は、以下のとおりです。

・ビタミンB1
毛根の代謝活性を増加させる作用に加え、ストレスの緩和にも効果があるといわれています。

・D-パントテン酸カルシウム
毛髪、皮膚、神経組織を健康に保つ働きがあり、髪の生成に欠かせない成分です。
また、ストレス性の脱毛を軽減する副腎皮質ホルモンの合成にも関与しているといわれています。

・薬用酵母(Vigar-yeast)
ビタミンやたんぱく質を豊富に含む頭皮ケアに効果的なオールラウンドな栄養成分です。
育毛を根元から支え、頭皮と髪に栄養を与えます。

・L-シスチン
皮膚や毛髪、爪に多く存在するアミノ酸の一種です。
コラーゲンを生成するほか、肌の生まれ変わりを助け、シミの原因となるメラニンの発生を抑制します。

・ケラチン
紫外線などの外部刺激から毛髪や皮膚を守り、力強く若々しいツヤのある毛髪を維持します。
また、白髪化の防止やもろくなってしまった爪の修復にも効果があるといわれています。

・パラアミノ安息香酸
ビタミンBの一種で、毛髪の色素沈着に効果があり、白髪を黒髪に戻す効果があるといわれています。


最も重要な成分は、D-パントテン酸カルシウムです。
この成分により、「パントテン酸」を効率よく体内に摂取することができます。

パントテン酸とは、「補酵素A」という生物が生きていくためには必要不可欠な補酵素(低分子量の有機化合物)です。
以前は、「ビタミンB5」と呼ばれていました。
パントテン酸は、ほとんどの食品に含まれています。
特に多く含まれている食品は、乾燥酵母、卵、牛乳、レバー、糸引き納豆、きな粉、落花生、干し椎茸、さけ、いわしなどです。
パントテン酸が不足すると、成長停止や皮膚炎の発生、脱毛、末梢神経の障害(手足の麻痺や焼けるような足の痛み)、副腎障害などが特に発生しやすくなります。

びまん性脱毛症(女性型脱毛症)の発生メカニズムは完全には解明されていませんが、主な発生原因は女性ホルモン「エストロゲン」の減少です。
一般的な女性は、閉経後に急激に減少します。
エストロゲンには、ヘアサイクル(毛周期)の「成長期」を長くする作用があります。
また、髪の毛を太くする作用もあります。
女性の方が男性より髪の毛が太いのはこのためです。

髪の毛は毛母細胞(もうぼさいぼう)が分裂してできたものです。
エストロゲンが減少することにより、毛母細胞はその活性力を失い、髪の毛は以前より育たなくなります。
パントテン酸には、毛母細胞の失った活性力を元に戻す作用があります。
ただし、その効果は人により違いがあります。

パントガールがびまん性脱毛症(女性型脱毛症)や分娩後脱毛症(出産後脱毛症)に効果があるのは、D-パントテン酸カルシウムを含んでいるからです。
その他の成分には、薄毛を改善させる大きな効果はありません。

ちなみに、パントガール(Pantogar)という名前は、パントテン酸からきています。







パントガールの「オーストリア版」は、主にドイツやオーストリアで販売されています。
ホワイトとイエローのカプセルで、「インターナショナル版」とは見た目が違います。

たまに、「オーストラリア版」と書かれているサイトがありますが、「オーストラリア版」というものは存在しません。
「オーストリア版」なので間違えないで下さい。


パントガール(オーストリア版)の成分は、以下のとおりです。

パントガール(オーストリア版)1粒あたりの含有成分

主成分
・D-パントテン酸カルシウム・・60mg
・L-シスチン・・220mg

その他成分
・セルロース
・ポビドン
・タルク
・ステアリン酸マグネシウム
・シリカ
・ゼラチン
・着色料
・二酸化チタン(E171)
・酸化鉄(E172)



インターナショナル版とオーストリア版には、その成分に違いがあります。

オーストリア版には、ビタミンB1、薬用酵母(Vigar-yeast)、ケラチン、パラアミノ安息香酸が含まれていません。
その一方で、L-シスチンの配合量ですが、インターナショナル版では20mg、オーストリア版では220mgなので、10倍以上となっています。
L-シスチンには、シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑える効果があるので、オーストリア版の方は少し「美白効果」を意識してつくられているのかもしてません。

オーストリア版もインターナショナル版と同様、1粒あたり、D-パントテン酸カルシウムを60mg含んでいます。
びまん性脱毛症(女性型脱毛症)分娩後脱毛症(出産後脱毛症)の治療に大きな影響を与えるのはこの成分です。
オーストリア版とインターナショナル版は、同等の効果と考えられます。


パントガールは、オオサカ堂という個人輸入代行業者の商品サイトから購入することができます。
下の画像バナーをクリックすると、商品ページが開きます。








パントガールの製造元であるドイツの「Merz Pharmaceuticals GmbH社」も、インターナショナル版とオーストリア版で、効果や副作用の違いはないと公表しています。

オオサカ堂のパントガールの商品ページには、実際に使用した人の口コミが書かれています。
その口コミを見ても違いは感じられません。
あと、オーストリア版を使用している人の口コミにおもしろい意見を見つけました。

machutan
パントガール(Pantogar)オーストリア版

早くほしかったのでヤマト便配送のオーストリア版を購入しました。
インターナショナル版は錠剤の色が緑と白で抵抗があったのですが、こちらは優しいお色で飲みやすかったです。
インターナショナル版のようにお腹をくだすこともありませんでしたが、以前は1箱飲み終える頃に感じた抜け毛の減少を感じられず、成分は同じなのに不思議ですが、やはり次回からインターナショナル版に戻すことにしました。



私も感じていたのですが、インターナショナル版はカプセルの色から飲むのに抵抗がありそうです。
そういう人はオーストリア版を使用する方がいいでしょう。


パントガールは、「インターナショナル版」と「オーストリア版」で違いはほとんどありません。
どちらでも好きな方を選んで下さい。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

この記事へのコメント

  • satoshi

    効果や副作用のリスクについては同じくらいということですが、私が使うなら「オーストリア版」の方がいいですね。

    「オーストリア版」はカプセルの色がきれいですから。
    2017年04月18日 18:00
  • taka

    コメントありがとうございます。

    そうですね。
    「オーストリア版」の方も見た目がきれいですね。

    でも、「インターナショナル版」が元祖なので、こだわりがなければ「インターナショナル版」の方がいいかもしれません。


    >satoshiさん
    >
    >効果や副作用のリスクについては同じくらいということですが、私が使うなら「オーストリア版」の方がいいですね。
    >
    >「オーストリア版」はカプセルの色がきれいですから。
    2017年04月18日 20:18

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