これは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」通称「薬機法(やっきほう)」という法律で、表示する義務があるからです。
市販されている育毛剤は、医薬品と医薬部外品、化粧品に分類されます。
現在、化粧品に分類される育毛剤はほとんどありません。
医薬部外品のものが多いです。
医薬部外品の育毛剤の成分表示を見ると、「有効成分」と「その他成分」に分けて表示されています。
薬機法で、有効成分を表示する義務があるからです。
上の写真は、ある医薬部外品の育毛剤の成分表示です。
一般的には、このように表示されています。
医薬品の成分表示は、医薬部外品より厳格です。
全成分の表示と主成分の分量の表示が、薬機法により義務付けられています。
下の写真は、「ハツモール・ヘアーグロアー、S」という医薬品の育毛剤の成分表示です。
この育毛剤のランクは指定第2類医薬品です。
医薬部外品より、3ランク上になります。
有効成分とは、効力をもつと厚生労働省が認めた成分のことです。
育毛剤の場合には、髪の毛に良い効果がある成分ということです。
だだし、有効成分が入っているからと言って、脱毛症に対して、効果が期待できるとは限りません。
むしろ、大した効果がない成分がほとんどです。
有効成分は非常にたくさんあります。
私も全部把握してはいないのですが、数10種類はあります。
もしかしたら、100種類以上あるかも。
こららの有効成分の多くは、脱毛症に効果あるという、エビデンス(科学的根拠)がありません。
ほとんどの成分は、脱毛症の進行を抑制したり、発毛効果が認められたりという、客観的に判断できる臨床データがないのです。
育毛剤に使用されている主な成分は、以下のとおりです。
男性ホルモン抑制作用・・・フィナステリド、デュタステリド、t-フラバノン、ポリリン酸ナトリウム、アロエエキス、イソフラボン、カプサイシン・イソフラボン、M-034エキス、ビワ葉エキス、オウゴンエキス、亜鉛、ノコギリヤシ、ヒオウギエキス、プラセンタなど
血行促進作用・・・ミノキシジル、塩化カルプロニウム、センブリエキス、シャクヤクエキス、トウガラシシンキなど
毛母細胞活性化作用・・・アデノシン、ペンタデカン酸グリセリド、ローヤルゼリーなど
頭皮保湿作用・・・グリセリン、ヒアルロン酸トレハロース、ヘチマエキス、アロエエキスなど
抗菌作用・・・L-メントール、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールなど
抗炎症作用・・・グリチルリチン酸ジカリウム、パンテノール、塩酸ピリドキシンなど
これらの成分は、市販されている育毛剤に数種類は入っています。
これらの成分が含まれていないと、医薬部外品として育毛剤を販売できないからです。
有効成分が入っているのは、むしろ当たり前のことなのです。
薬の効果
医療用医薬品>一般用医薬品>医薬部外品
育毛剤などの薬の効果は、その区分で判断することができます。
医薬品なのか、医薬部外品なのか。
医薬品なら、医療用医薬品か一般用医薬品か。
もちろん個人差があるので、「絶対に効果がある」とは言えません。
脱毛症には、いくつかの種類があります。
その種類ごとに発症メカニズムは異なるので、使用する育毛剤も異なります。
1番多い脱毛症は、「AGA(男性型脱毛症)」です。
成人男性の薄毛の90%以上は、AGAと言われています。
上のイラストのように、前頭部と頭頂部の髪の毛が薄くなっていきます。
AGA(男性型脱毛症)の治療で実績のある成分は、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3種類のみです。
この3種類の成分の他にも、少しだけ効果のある成分が4~5種類あるのですが、この3種類と比べると効果は弱いです。
私も、AGA(男性型脱毛症)で髪の毛が薄くなり、現在治療中です。
上の写真の左側が治療開始時、右側が治療開始480日目の状態です。
私がAGA(男性型脱毛症)の治療で使用しているのは、「フィンペシア」と「フォリックスFR05ローション」という育毛剤です。
フィンペシアは、フィナステリドが主成分の飲み薬です。
フォリックスFR05ローションは、ミノキシジルが主成分の塗り薬です。
これらの育毛剤は、オオサカ堂という個人輸入代行業者から購入しています。
下の画像をクリックすると、商品ページに移動し購入することができます。
商品ページには、実際に育毛剤を使用した人のコメントが書かれていて、誰でも見ることができます。
良いコメントだけでなく、悪いコメントも書かれています。
効果がでている人が多いですが、全く効果のない人もいます。
ほとんどの人は、作用の異なる2種類の育毛剤を併用しています。
その方が効果があるからです。
AGA(男性型脱毛症)に効果のある成分
男性ホルモン抑制作用・・フィナステリド、デュタステリド
血行促進作用・・ミノキシジル
現在のAGA治療は、「フィナステリド+ミノキシジル」又は「デュタステリド+ミノキシジル」の併用でおこなうのが、標準的な治療法になりつつあります。
実績があるからです。
一方、医薬部外品の育毛剤では、脱毛症が改善したという実績がありません。
だから、医薬品として承認されないのです。
医薬部外品の育毛剤に表示されている「有効成分」は、脱毛症に対して有効な成分ではないのです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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