フィンペシアとは?その効果と副作用について

男性は加齢とともに、髪の毛が薄くなっていく人が多くなっていきます。
これは「AGA(男性型脱毛症)」が原因の場合がほとんどです。
成人男性の薄毛の90%以上はAGAによるものです。
60歳以上の男性は半分以上がAGAになっている」という調査結果もあります。

AGA(男性型脱毛症)は髪の毛が薄くなる部分が特定している脱毛症です。
前頭部(特にM字部分)と頭頂部の髪の毛が薄くなっていきます。
一方、側頭部や後頭部の髪の毛はフサフサのままで、脱毛が発生することはありません。


AGA(男性型脱毛症)は、髪の毛の寿命(ヘアサイクル)を短くする脱毛症です。
完全にハゲあがっていると思われる部分でも、近くでよく見ると、小さな産毛が生えている場合が多いです。

男性ホルモン「テストステロン」と酵素「5αリダクターゼ」が結合することにより、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」がつくられます。
更に、DHTが受容体「アンドロゲンレセプター」に結合すると、成長因子「TGF-β」がつくられる。
TGF-βは、髪の毛に対しては抜けるように命令を発します。
このTGF-βが増えるほど、ヘアサイクルが短くなり、見た目には髪の毛が薄くなっていきます。







フィンペシアとは、AGA(男性型脱毛症)や前立腺疾患に効果のある飲み薬です。

AGA(男性型脱毛症)の治療の場合には、1日1回1mgのフィンペシアを服用します。
前立腺疾患の場合には、1日1回5mgを服用します。


フィンペシアの主成分は「フィナステリド」です。
フィナステリドには、男性ホルモンの「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑制する効果があります。
DHTが増えることにより、AGA(男性型脱毛症)が進行したり、前立腺疾患になりやすくなったりします。

フィナステリドが主成分の薬はフィンペシア以外に、プロペシアやフィナロイド、フィナバルドなど数種類あります。
このなかで、一番初めに開発されたのが「プロペシア」です。
アメリカ合衆国のメルク・アンド・カンパニー社が開発しました。
主成分の「フィナステリド」もメルク・アンド・カンパニー社が開発しました。
ちなみに、特許が切れるのは、2019年5月です。


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フィンペシア(キノリンイエローフリー新タイプ)1mg


少し余談になりますが・・・

いろいろなサイトに、「フィンペシアはプロペシアのジェネリック医薬品」と書いてありますが、これは間違いです。
プロペシアの特許期間が切れるのは2019年5月です。
それまでは、プロペシアのジェネリック医薬品をつくることはできません。

フィンペシアは、インドのシプラ社が製造・販売している薬です。
インドは「医薬品の特許条約」に加盟していないので、特許が切れていない薬でも製造することができるのです。
「国としてはいかがなものか?」とは思いますが。


フィンペシアは、プロペシアと「ほぼ同じ薬」です。
様々な機関がおこなった成分鑑定でも、「フィンペシアの主成分はフィナステリドである」という結果がでています。
「ほぼ同じ薬」と言ったのは、薬のコーティングに使われている成分などが違うからです。


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フィンペシアは値段の安い薬なので、プロペシアより使用している人が多いです。
私も使用しています。
安くても効果は十分にありました。
上の写真、左側がフィンペシア服用前、右側がフィンペシア服用後180日目の写真です。







フィンペシアのAGA(男性型脱毛症)に対する効果や副作用は、正確にはわかりません。
製造元のインドのシプラ社が製造販売後調査をおこなっていないからです。
製造販売後調査とは、販売してから半年~10年にかけて、その薬の効果や副作用などを調査することです。

参考になるデータとしては、プロペシアを製造・販売しているアメリカ合衆国のメルク・アンド・カンパニー社が公表しているものがあります。



フィンペシアの効果について考察します。

メルク・アンド・カンパニー社が公表しているデータより、
プロペシア1mgを1日1回1錠、1年間服用した場合には、服用者の98%でAGA(男性型脱毛症)の進行が認められませんでした。
つまり、AGAの進行を抑制する効果は98%ということになります。
しかし、長期間使用すると様々な理由により効かなくなってくることもあるので、実際にはもう少し低いと思った方がいいでしょう。


更に、実際にフィンペシアを使用している人の書いたコメントから統計をとったこともあります。
私はオオサカ堂という個人輸入代行業者からフィンペシアを購入しています。
ここのフィンペシアの販売ページには、実際に薬を使用して人の口コミが書かれています。
ここでの結果は、以下のとおりでした。

フィンペシア使用者の薄毛改善状況

薄毛改善・・・81%
現状維持・・・11%
状況悪化・・・8%


フィンペシアにはAGA(男性型脱毛症)の発症・進行を抑制する効果はありますが、発毛効果はありません。
フィンペシアのみの使用で髪の毛が濃くなった人も何人かいましたが、そういう人たちは髪の毛をつくる毛母細胞が正常に活動していたため、発毛にブレーキをかけているDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することにより、正常に髪の毛が生えてくる状態に戻ったのです。
髪の毛が薄くなり始めてから時間があまり経っていない人は、このようにケースが多いです。

悪化したという人たちの中たちのなかには、初期脱毛をAGA(男性型脱毛症)が進行したと勘違いした人が何人かいました。
初期脱毛とは、AGA(男性型脱毛症)の治療を開始すると、髪の毛がたくさん抜ける症状が発生することです。
個人差があるのですが、脱毛期間は治療を始めて10日~3か月くらいの期間です。

フィンペシア使用者のコメントを見る限り、フィンペシアはプロペシアより少しだけ劣るかもしれません。
ただ、数100人のデータなので、単なる誤差なのかもしれません。

ただ、確実に言えることは・・・

フィンペシアは、少なくとも9割以上の確率で、AGAの進行を抑制することができます。
AGA(男性型脱毛症)を進行させない、守りの飲む育毛剤です。



フィンペシアの副作用について考察します。

メルク・アンド・カンパニー社が公表しているプロペシアの製造販売後調査のデータより、
943例中5例(0.5%)に副作用が認められました。
症状は、リビドー減退2例(0.2%)、肝機能障害2例(0.2%)等です。
リビドー減退とは、精力が低下することです。

私が知る限りでは、フィンペシアの副作用はプロペシアと同等程度です。
プロペシアよりも倍の副作用が発生するとか、半分以下の副作用しか発生しないということはありえません。

フィンペシアは、用法・容量を守って使用すれば、副作用が発生する可能性は非常に少ない薬です。
薬である以上、副作用が発生しないという事はありえませんが、用法・容量を守って使用していれば、安全性の高い薬です。


フィンペシアの主な注意事項

男性成人のみ服用してください。(女性には効果が認められていません)
妊娠中・授乳中の方、また妊娠している可能性のある方は絶対にフィナステリドを服用しないで下さい。
肝機能障害のある方がフィナステリドを服用する場合は、医師にご相談ください。

フィナステリドを服用中、及び服用中止後1ヶ月間は献血をしないで下さい。
*フィナステリド製品は、女性が手で触ることも禁忌とされています。



データにはありませんが、フィナステリドの最大の副作用は「ノーシーボ効果」とも言えます。
ノーシーボ効果とは、「この薬は副作用があるかも?」と不安な気持ちで使用すると、本当に副作用を引き起こしてしまう事です。
AGA治療薬は、ノーシーボ効果が発生しやすい薬です。



下の画像をクリックすると、フィンペシアやプロペシアの販売ページが開きます。
興味があれば口コミだけでもご覧になってみて下さい。








フィンペシアやプロペシアなどの薬の登場により、AGA(男性型脱毛症)の治療は大きく進歩しました。
1995年くらいまでは、髪の毛が薄くなってしまうと、元に戻すことは不可能でした。

ただし、AGA(男性型脱毛症)の治療は早期の対策が絶対条件です。
髪の毛が完全にハゲあがってしまってから、これらの薬を使用してもほとんど効果は期待できません。
そこまでの万能薬ではありません。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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