「薬剤耐性(やくざいたいせい)」と言うこともあります。
薬の耐性とは、細菌やウイルス、がん細胞などに対して、薬が効かなくなる、又は、効きにくくなる現象のことです。
薬の耐性が発生する原因には、細菌やウイルス、がん細胞などが薬に対して抵抗力があるような形態に変化する場合と、細菌やウイルス、がん細胞などの中で比較的薬に強い個体が生き残り増殖する場合の2つがあります。
AGA(男性型脱毛症)の治療をしていると、育毛剤が効かなくなってきたという話を時々聞きます。
最もよく言われるのがフィナステリドです。
フィナステリドに耐性はあるのでしょうか?
フィナステリドに耐性が発生することはありません。
正確に表現すると、フィナステリドに耐性はないが、効かなくなることは時々あります。
フィナステリドの耐性については、論文が発表されています。
内容は、フィナステリド錠の使用者を10年間追跡調査した臨床データです。
⇒フィナステリドの耐性に関する論文
被験者は、AGA(男性型脱毛症)で、心身ともに健康な20歳~61歳までの男性です。
試験期間中は、男性ホルモンを抑制する薬や脱毛症に改善させる薬の使用は禁止、スタイリング剤や染髪も禁止という条件での臨床データです。
なるべく他の要因が入らないような状態で調査するために、このような制約をしています。
結果は以下のとおりです。
フィナステリドを1日1mg服用した時の頭髪の状態
5年後
改善・・53%
不変・・45%
悪化・・2%
10年後
改善・・68%
不変・・28%
悪化・・4%
フィナステリドは長期間使用するほど、AGA(男性型脱毛症)の改善率が高まっています。
5年後改善率53%⇒10年後改善率68%
フィナステリドに耐性があるなら、このような結果にはなりません。
フィナステリドは男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」が増加を抑制する薬です。
細菌やウイルス、がん細胞などを死滅させる薬ではないので、耐性とは関係のないタイプの薬なのです。
フィナステリドを服用していても、AGA(男性型脱毛症)が悪化した人もいます。
5年後は2%で、10年後には4%まで増えています。
これは老化などが原因と思われます。
この調査は、「心身ともに健康な20歳~61歳までの男性」という制約がついています。
実際には、フィナステリドが効かなくなる人の割合はもっと多いです。
プロペシアを製造・販売元しているアメリカ合衆国のMSD(メルク・アンド・カンパニー)が公表している臨床データからです。
被験者を「プラセボ」「プロペシア1mg」の2つの群にわけ、プロペシア1mgを5年間服用した被験者のデータになります。
被験者は健康な人ではなく、ランダムに選んでいます。
フィナステリドを5年使用した場合
改善不変・・90%
悪化した・・10%
フィナステリドを5年使用した場合、フィナステリドの耐性に関する論文では悪化した人の割合は2%でした。
一方、MSDが公表している臨床データでは10%です。
両方の臨床データの差、8%の人は、体調不良を起こし、フィナステリド錠が効かなくなった可能性が高いです。
フィナステリドが効かなくなってきたと感じたら、DHT(ジヒドロテストステロン)の血中濃度を調べてみて下さい。
DHTの血中濃度の基準値は、0.2~1.0ng/mlです。
この調査は、AGA(男性型脱毛症)を診察科目にあげているクリニックや病院で受けることができます。
DHTの血中濃度が適正値まで下がっているなら、フィナステリド自体は効いているということです。
治療開始5年以内に発生する確率は、フィナステリドの耐性についての論文にあった2%前後と予想されます。
主な原因は、老化による毛母細胞(もうぼさいぼう)など発毛に必要な細胞の活性力の低下です。
残念ながら、フィナステリドを含めて、育毛剤でAGAの進行を食い止めるのは非常に難しい状態になっています。
DHTの血中濃度が高い状態なら、フィナステリドが効いていないということです。
治療開始5年以内に発生する確率は、「フィナステリドの耐性についての論文」と「MSDが公表している臨床データ」との差、8%前後と予想されます。
主な原因は、健康状態の悪化です。
健康診断をしても全く異常がない状態でも発生することもあります。
対策は2つあります。
体を健康な状態に戻すことと、デュタステリドを使用することです。
デュタステリドはフィナステリドの強化版です。
フィナステリドでは効果がなくても、デュタステリドでは効果があったという人もいます。
AGA(男性型脱毛症)の治療は、通常フィナステリドで大丈夫です。
DHT(ジヒドロテストステロン)の血中濃度を十分に下げることが可能です。
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「〇〇〇件のレビュー」というところをクリックすると、商品を使用した人の口コミを見ることができます。
フィナステリドで十分な効果が得られなければ、デュタステリドを使用するが現実的な方法です。
ただし、使用する前に医師に相談した方がいいでしょう。
下の画像バナーをクリックすると、デュタステリドの商品ページが表示されます。
「〇〇〇件のレビュー」というところをクリックすると、商品を使用した人の口コミを見ることができます。
デュタステリドに変えたら効果があったという口コミもあります。
フィナステリドを使用していても、急に効かなくなることは時々あります。
そのような時は、AGA(男性型脱毛症)を診察科目にあげているクリニックや病院で、DHT(ジヒドロテストステロン)の血中濃度を調べてみて下さい。
そして、医師の指示に従って下さい。
今回の記事は、フィナステリドの耐性について書きましたが、フィナステリドは非常に優秀なAGA治療薬です。
AGA治療の第一選択肢です。
フィナステリドに関する記事を下にまとめてみました。
良かったらご覧になって下さい。
フィナステリドに関する記事
フィナステリドとは?その効果と副作用について
フィナステリドの効果が最大限発揮されるのは服用してから半年以降
フィナステリドとは?その効果と副作用について←この記事
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事へのコメント
人間ドックを受けて健康であるとわかってます。
それでも半年で増えた髪が1年半で元通りの薄毛に。
耐性は理論上ないと理解してましたが、やはり効かなくなることはありますね。
製薬会社等の情報を鵜呑みにするのはどうかと思います。
taka
そうですか・・・
残念ですね。
フィナステリド錠が効かなくなってしまう人も実際にはいますから。
DHTの血中濃度は調べましたか?
効かなくなったのは「何かが変わった」ということです。
その原因の特定ができればいいのですが。
>タバコは吸わないし、アルコール摂取もありません。
>人間ドックを受けて健康であるとわかってます。
>それでも半年で増えた髪が1年半で元通りの薄毛に。
>耐性は理論上ないと理解してましたが、やはり効かなくなることはありますね。
>製薬会社等の情報を鵜呑みにするのはどうかと思います。