グリチルリチン酸ジカリウムとは?その効果と副作用について

グリチルリチン酸ジカリウム

なんだか小難しい名前ですが、私たちにとっては比較的身近なものです。
グリチルリチン酸ジカリウムは、市販されている育毛剤や化粧品、シャンプー、石鹸などよく含まれている成分です。
「グリチルリチン酸2K」や「甘草エキス」、「カンゾウエキス」と表示されている場合もあります。


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参照:ボタニカル♪ラブ


グリチルリチン酸ジカリウムとは、甘草(カンゾウ)という植物の根に含まれている成分です。
甘草(カンゾウ)はマメ科の多年草で、現在、18種が確認されています。
その名のとおり、甘草には砂糖の100倍以上と言われるほどの非常に強い甘みがあります。

上の画像は、甘草(カンゾウ)の花です。

本来は、中華人民共和国北部やロシア南部、中央アジア、北アメリカなどに生息していました。
甘味料や薬として使用するため、300年ほど前から日本でも栽培されるようになったと言われています。
しかし、現在は輸入品の方が安くなったので、栽培は以前ほどおこなわれなくなりました。


甘草(カンゾウ)は漢方薬として、非常によく利用されています。
日本国内で発売されている漢方薬の約7割に用いられていると言われています。
7割ですよ!

ほとんどの人は知らない間にお世話になっていることでしょう。
「甘草(カンゾウ)」という名前は知らなくても、非常に身近な植物と言ます。







甘草(カンゾウ)の根から抽出した「グリチルリチン酸ジカリウム」には、抗炎症作用や抗アレルギー作用、殺菌作用などがあります。
特に抗炎症作用は、古くから口内炎や喉の炎症を抑えるために用いられきました。

グリチルリチン酸ジカリウムには、頭皮の炎症を抑制する効果と雑菌の繁殖を防ぐ効果があります。
このため、様々な育毛剤の成分として使用されています。


グリチルリチン酸ジカリウムには、抗炎症作用と抗アレルギー作用があります。
このため、頭皮に直接塗れば、軽度の炎症なら抑制することができるのです。

頭皮が炎症を起こす原因はいろいろあります。
そのなかでも多いのが、皮脂が過剰分泌することで毛穴などに詰まり炎症起こす場合と、シャンプーなどヘアケア製品が肌に合わなくてアレルギー反応を起こす場合です。
このような症状に対して、グリチルリチン酸ジカリウムは効果を発揮します。

グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用には、皮膚科にいくと処方されるステロイド剤のような即効性はありません。
効果もステロイド剤を比べると弱いものです。
しかし、長期に使い続けることができるという長所があります。

グリチルリチン酸ジカリウムの役割は、事前に頭皮の炎症の発生を抑えたり、軽度の炎症を抑制したりすることです。
しかし、炎症が悪化してしまったら、皮膚科のお世話になるしかありません。


もう一つ、グリチルリチン酸ジカリウムには、殺菌作用があります。

頭皮からは皮脂というものが分泌されています。
この皮脂は汗と混じり合い皮脂膜(ひしまく)という薄い膜をつくり、頭皮を守っています。

皮脂が過剰に分泌されると「マラセチア菌」が異常繁殖します。
マラセチア菌は、私たちの肌にいるカビです。
人間にとっては必要なものなのですが、必要異常に増えると様々なトラブルを発生させます。
グリチルリチン酸ジカリウムの殺菌作用は、マラセチア菌の異常繁殖を抑えてくれるのです。

逆に、皮脂の分泌量が必要以上に減ってしまうと、皮脂膜が少ししかつくれなくなります。
皮脂膜(ひしまく)は弱酸性です。
弱酸性は細菌などが繁殖しにくい状態です。
つまり、皮脂膜には殺菌作用があるのです。

グリチルリチン酸ジカリウムの殺菌作用が、弱くなった皮脂膜の殺菌作用を補完してくれるのです。
その殺菌作用も強力なものではなく、マラセチア菌を絶滅させることもありません。
適度の殺菌力なのです。


このように、グリチルリチン酸ジカリウムには育毛剤の成分としては優れた効果があります。
頭皮の環境を正常に戻すという点では、ちょうど良い成分とも言えます。


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育毛剤黄金樹a


グリチルリチン酸ジカリウムは、多量に使用すると副作用が発生することもあります。
1日の摂取量が40mgを越えると、「偽アルドステロン症(ぎせいアルドステロンしょう)」という症状を引き起こすことがあります。

偽性アルドステロン症とは、「アルドステロン」ホルモンが過剰に分泌されていないのに、あたかも過剰に分泌されているかのような症状が発生することです。
高血圧や高ナトリウム血症、低カリウム血症などの症状が発生します。
顔や手足に体の水分がたまりが「むくむ」こともあります。

市販されている育毛剤や化粧品、シャンプー、石鹸などには、副作用が発生するほど大量のグリチルリチン酸ジカリウムは含まれていません。
普通に使用していれば、1mgも摂取することはないでしょう。

グリチルリチン酸ジカリウムにより副作用が発生することは、通常ではありえません。
安心して下さい。


グリチルリチン酸ジカリウムは、頭皮や肌を正常な状態に戻してくれる「ありがたい成分」なのです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


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