数日前にも、ノコギリヤシのサプリメントが新聞の全面広告欄にのっていました。
以前はこれほど、ノコギリヤシの名前は聞きませんでした。
ノコギリヤシ・・・
なんか独特のネーミングだと感じたのは、私だけでしょうか?
ノコギリヤシとは、主に北米南東部の海岸地帯に生息しているヤシの一種です。
葉の形状がノコギリのような形をしているため、「ノコギリヤシ」と呼ばれるようになったそうです。
正式な名前は、「ノコギリパルメット」と言います。
上の画像がノコギリヤシです。
葉がギザギザとしていて、硬く尖っています。
下手に触ると、手を切っていしまうこともあるそうです。
ノコギリヤシは、見た目には、無骨な感じです。
こんな植物をサプリメントや育毛剤に使って大丈夫なの?
と思ってしまいました。
ノコギリヤシは前立腺肥大症には効果があるかもしれません。
「効果があるかもしれない」という曖昧な表現なのは、臨床試験の結果が「効果があるもの」と「効果がないもの」があるからです。
ノコギリヤシは前立腺肥大症には効果があるとする根拠で、有名なものは1995年にイタリアで行われた臨床試験です。
前立腺肥大患者63名に、ノコギリヤシ抽出液160mgを3週間投与したところ「残尿感が軽減された」という結果がでたものです。
更に、前立腺肥大患者94名を2つのグループに分けて、一方のグループにだけノコギリヤシ抽出液を投与しました。
この試験は1ヶ月間おこなわれ、ノコギリヤシ抽出液を投与したグループは夜の排尿回数が約半分に減少したというものです。
ノコギリヤシは前立腺肥大症には効果がないとする根拠で有名なものは、アメリカ合衆国で行った臨床試験です。
2006年に、中等度から重度の前立腺肥大症患者225人を対象に1年間行われました。
前立腺肥大症患者を2つのグループに分けて、一方のグループにはノコギリヤシ320 mgを、もう一方のグループにはプラセボ(偽薬)を1日1回投与しました。
その結果、症状の改善は認められませんでした。
2011年にも、同じ調査が前立腺肥大症患者369人を対象に行われましたが、症状の改善は認められませんでした。
症状改善の判断基準は、前立腺の大きさの変化と、PSA検査(前立腺特異抗原検査)で行いました。
前立腺肥大症は、前立腺に良性の腫瘍ができ前立腺が大きくなる病気です。
前立腺の大きさくなると、PSA値も上昇していきます。
これらの結果から、ノコギリヤシを医薬品として認可している国と承認していない国があります。
ノコギリヤシを医薬品として認可している国は、フランスやイギリス、ドイツ、イタリア、ベルギー、ハンガリー、スウェーデンなどです。
承認していない国は、アメリカ合衆国や日本などです。
アメリカ合衆国と日本は、現時点では、「ノコギリヤシは、医学的には、前立腺肥大症には効果あるという根拠はない」という見解です。
科学的なデータを重視している訳です。
ノコギリヤシが育毛剤に使われるようになったのは、前立腺肥大の症状を抑える効果があるという臨床結果が発表されてからです。
前立腺肥大の発生原因は、男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)が増加です。
AGA(男性型脱毛症)と同じです。
このため、前立腺肥大とAGA(男性型脱毛症)の薬(正確には「成分」)は同じなのです。
前立腺肥大やAGAの薬には、フィナステリドとデュタステリドがあります。
もちろん、両方とも医薬品です。
この2つの薬は、女性は使用禁止です。
皮膚から吸収される可能性もあるので、触ることすら禁止事項です。
これに対して、ノコギリヤシは女性が使用することに制約はありません。
更に、ノコギリヤシの服用後、血液中のDHT濃度を測定しても変化はありません。
これはあくまで私個人のド素人の意見なので、参考にしてもらっては困るのですが・・・
ノコギリヤシには、DHT(ジヒドロテストステロン)抑制効果はほとんどないでしょう。
ノコギリヤシは日本では医薬品指定されていません。
だから、サプリメントや育毛剤に比較的簡単に使用することができます。
「金儲けのネタとしていは良い」と邪推(じゃすい)してしまいます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事へのコメント
oguri
いい金儲けのネタですね。
taka
確かにそのとおりですね。
育毛剤には様々な成分が入っていますが、本当に効果のある成分なら1種類でいいですから。
ノコギリヤシは全く効果がないとまでは言いませんが、髪の毛が生えることは通常ではありえません。
>oguriさん
>
>私もノコギリヤシにDHT抑制効果はないと思います。
>
>いい金儲けのネタですね。